自宅でできるピラティス|初心者にも取り組みやすいメニューと安全に続けるポイント
2024年12月21日公開(2026年1月30日更新)

忙しい日常の中で、まとまった運動時間を確保するのは簡単ではありません。スタジオでレッスンを受けたいと思っていても、仕事や家事、育児などでなかなか時間が取れないという方も多いのではないでしょうか。
そんな中、近年注目されているのが「お家ピラティス」「自宅ピラティス」と言われる自宅で気軽に取り組めるピラティスです。マット1枚あれば始められる手軽さに加え、姿勢改善や不調の改善・予防、そして体幹への意識を高められる点が大きな魅力です。
一方で、「自宅で何をやればいいのかわからない」「動画を見て真似しているけれど本当に合っているのか不安」といった声も少なくありません。今回はそんなお家ピラティスの基本的な考え方や注意点、始めるための準備に加え、自宅で取り組みやすい基本的なピラティスメニュー例も紹介しながら、安全に続けるためのポイントを詳しく解説します。
お家ピラティスの魅力と注意点

お家ピラティスは「自宅で運動を続けたい」と考える方にとって非常に魅力的な選択肢ですが、正しく理解したうえで取り組むことが大切です。メリットと注意点の両方を知ることで、より安心して続けやすくなります。
お家ピラティスのメリット
お家ピラティス最大のメリットは、時間や場所に縛られず、自分のペースで取り組める点にあります。移動時間が不要なため、朝の身支度前や就寝前のわずかな時間にも取り入れやすく、忙しい社会人や子育て中の方でも継続しやすいのが特徴です。
またピラティスは激しい動きを伴わないエクササイズが多く、動作は小さくても骨盤や背骨、体幹への意識を高めながら行う点が特徴です。そのため、日常生活の中で姿勢を意識しやすくなったり、身体の使い方への理解が深まったりする効果も期待できます。継続することで、日常動作における疲労感の軽減や、集中力の向上を感じる方も少なくありません。
自宅で行う際の注意点
一方で、自宅で行うピラティスには注意点もあります。最大のポイントはフォームや呼吸が独学・自己流になりやすいという点です。動画や写真を参考にしても、骨盤の位置や背骨の動き、胸式呼吸の感覚は分かりづらく、無意識のうちに崩れてしまうことがあります。
誤ったフォームのまま続けてしまうと、首や腰に負担がかかったり、最悪の場合は怪我につながったりする可能性もあります。特に初心者や運動経験が少ない方は、無理に動きを大きくしたり、回数を増やしたりしないことが重要です。自宅で行う場合こそ、「違和感があれば中止する」「痛みを我慢しない」という意識を大切にしましょう。
→ピラティスの独学に注意が必要な理由は他のコラムで解説しています。
自宅とスタジオレッスンのバランス
お家ピラティスはスタジオレッスンと併用することで、より効果的かつ安心して取り組めます。自宅では頻度や習慣化を重視し、スタジオではインストラクターにフォームや呼吸をチェックしてもらう、という役割分担が理想的です。
近年はオンラインレッスンや配信サービスも充実しており、自宅にいながら指導を受けることも可能です。こうした方法を取り入れることで、自己流になりすぎるリスクを減らし、長期的に安全な運動習慣を築くことができます。
→オンラインピラティスの効果・メリットなどは他のコラムで解説しています。
お家ピラティスの始め方|環境と準備のポイント

お家ピラティスを安全かつ効果的に行うためには、事前の準備が欠かせません。環境や道具、時間配分を整えることで、無理なく継続しやすくなります。
安全に行うための環境づくり
まずはマットを敷いて手足を伸ばしても物に当たらないスペースを確保しましょう。床はできるだけ滑りにくい場所を選ぶと安心です。姿見や壁鏡があれば、自分の姿勢や骨盤の傾きを確認しやすくなります。また、スマートフォンで自分の動きを撮影して客観的に確認するのも有効な方法です。こうした環境を整えることで、フォームの乱れに気づきやすくなり、ケガの予防にもつながります。
必要な道具とあると便利なアイテム
お家ピラティスで必須となるのはマットです。背骨への負担を軽減するため、できれば厚みのあるピラティスマット(8mm以上)が望ましいでしょう。慣れてきたら、ピラティスバンドやリング、フォームローラーなどのプロップスを取り入れるのもおすすめです。これらは負荷を調整したり、身体への感覚入力を高めたりする役割があり、エクササイズの幅を広げてくれます。
自宅ピラティスの基本的な時間配分
初心者の方は、1回5〜10分程度の短時間から始め、週に複数回行うスタイルがおすすめです。長時間まとめて行うよりも、無理のない頻度で続ける方が習慣化しやすく、身体への負担も抑えられます。次章では、こうした時間配分を前提に、自宅で取り組みやすい基本メニュー例を紹介します。
自宅でできるピラティスの基本メニューとエクササイズ例

ここでは、自宅でも取り組みやすいピラティスの基本エクササイズを紹介します。いずれも特別な道具がなくても行える動きですが、目的や身体の使い方を理解して取り組むことで、より効果を感じやすくなります。無理に回数を増やすのではなく、呼吸や姿勢を意識しながら行うことが大切です。
※ここで紹介しているエクササイズは動きの一例です。正確なフォームや強度は個人差があるため、詳細な動きについてはスタジオレッスンやインストラクターの指導を受けることをおすすめします。
比較的取り組みやすい基本エクササイズ

ここで紹介するエクササイズは、ピラティスの基本的な考え方を学ぶうえで取り入れやすいものです。動きはシンプルですが、体幹や姿勢への意識を養う土台となります。
・ペルビックカール
ペルビックカールは、骨盤と背骨を丁寧に動かすことで、背骨の柔軟性や骨盤のコントロール感覚を高めるエクササイズです。主にお腹まわりやお尻、背骨周辺を意識しながら行い、体幹の安定につなげていきます。
やり方(例)
- 仰向けになり、膝を立てて足を床につける
- 息を吐きながら骨盤を後傾させ、尾骨から背骨を順番に持ち上げる
- 肩から膝までがなだらかなラインになる位置で一度呼吸する
- 息を吐きながら、背骨を上から順にマットへ戻す
腰だけを反らせるような動きにならないよう注意し、呼吸と動きをゆっくり連動させることがポイントです。
・トー・タップ
トー・タップは、脚を動かしながら体幹の安定を保つエクササイズです。動作中に骨盤や腰の位置が変わらないようコントロールすることで、体幹への意識を高めることができます。
やり方(例)
- 仰向けになり、膝を持ち上げて股関節と膝を曲げる
- 片脚ずつ、つま先を床に軽くタップする
- 交互に脚を動かしながら、骨盤の位置を保つ
腰が反ったり浮いたりしやすいため、脚の動きよりも体幹の安定を優先しましょう。違和感が出る場合は動きを小さくするか中止してください。
体幹への意識を高めたい方向けのエクササイズ

次に紹介するエクササイズは、体幹の安定性をより意識したい方に向けた基本的な動きです。自宅では無理のない強度設定が重要になります。
・ハンドレッド(強度を抑えたバージョン)
ハンドレッドは、呼吸と体幹の安定を同時に意識するピラティスの代表的なエクササイズです。自宅では負荷を抑えた形で行うことで、安全に取り組みやすくなります。
やり方(例)
- 仰向けになり、膝を曲げたまま脚を持ち上げる
- 上体を軽く起こし、腕を床と平行に伸ばす
- 腕を小さく上下させながら、一定のリズムで呼吸する
首や肩に力が入りすぎないよう注意し、呼吸を止めないことが大切です。短時間から始め、無理に回数を増やさないようにしましょう。
・ブリッジ
ブリッジは、骨盤を持ち上げる動きの中で、下半身と体幹の連動を意識するエクササイズです。お尻や太もも周りを使いながら、骨盤の安定性を高める目的があります。
やり方(例)
- 仰向けになり、膝を立てて足を床につける
- 息を吐きながら骨盤を持ち上げる
- 肩から膝までが一直線になる位置で姿勢を保つ
- 息を吐きながらゆっくり骨盤を下ろす
腰で反る感覚が強く出る場合は、動きを小さく調整してください。
リラックスや姿勢意識を高めるエクササイズ

ここでは、身体をゆるめながら姿勢への意識を高めるエクササイズを紹介します。デスクワークが多い方や、緊張が抜けにくい方にも取り入れやすい内容です。
・スパインストレッチ
スパインストレッチは、背骨の縦方向の伸びを感じながら行うエクササイズです。呼吸とともに動くことで、姿勢への気づきを高めやすくなります。
やり方(例)
- 背筋を伸ばして座る
- 息を吐きながら背骨を一つずつ丸めていく
- 無理のない範囲で前屈し、呼吸を続ける
- 息を吸いながら元の姿勢に戻る
反動を使わず、背骨の動きを丁寧に感じることがポイントです。
・ロールダウン
ロールダウンは、背骨を順番に動かすことで、姿勢のクセや身体の状態を確認しやすいエクササイズです。
やり方(例)
- 立位または座位で背筋を伸ばす
- 息を吐きながら、頭から順に背骨を丸めていく
- 無理のない位置で止まり、呼吸を行う
- 息を吸いながら、下から順に背骨を起こす
首や肩に力が入りやすい方は、動きを小さくし、ゆっくり行うことを意識しましょう。
自宅メニューを行う際の考え方と重要な注意点
ここで紹介したエクササイズは、あくまで多くの方が取り組みやすい基本的な例です。実際には、身体の状態や体力、運動経験、目的は一人ひとり異なります。そのため、本当に自分に合ったエクササイズ内容や強度は、有資格インストラクターに相談しながら決めることが理想的です。
特に、ピラティスが初めての方や運動経験が少ない方、過去にケガや不調を経験している方は、自己判断で無理に行わないことが大切です。違和感や不安がある場合は、スタジオレッスンや専門家の指導を受けることで、安全性と効果の両立がしやすくなります。
効果を高める継続のコツと応用方法

自宅でピラティスを続けていくうえで重要なのは、短期間で結果を求めすぎず、正しい方法で無理なく継続することです。自宅でできる手軽さは大きな魅力ですが、その一方で自己流になりやすい環境でもあります。ここでは、効果を高めながら安全に続けるためのポイントと、慣れてきた後の応用方法について解説します。
呼吸とフォームの精度を高める意識を持つ
お家ピラティスに限らず、ピラティス全般において最も大切なのが呼吸とフォームです。特に自宅で行う場合、誰かに見てもらえる環境ではないため、呼吸が浅くなったり、無意識のうちに姿勢が崩れたりしやすくなります。
ピラティスでは胸式呼吸を用い、肋骨の広がりを感じながら動くことが基本とされています。呼吸を止めずに動くことで、インナーマッスルが働きやすくなり、体幹の安定につながります。また、骨盤のニュートラルポジションを意識することで、特定の部位に負担が集中するのを防ぐことができます。
→ピラティスの呼吸の重要性については他のコラムで詳しく解説しています。
自宅での練習では、鏡を使ったり、スマートフォンで自分の動きを撮影したりすることで、客観的にフォームを確認する工夫が有効です。それでも判断が難しい場合は、定期的にスタジオレッスンを受け、インストラクターにチェックしてもらうことで、フォームの精度を高めやすくなります。
習慣化を意識したルーティンづくり
自宅ピラティスで効果を実感するためには、継続が欠かせません。しかし、「毎日完璧にやらなければならない」と考えてしまうと、かえって負担になり、途中でやめてしまう原因になります。
おすすめなのは時間や内容をあらかじめ決めすぎず、「できる日には短時間でも行う」という柔軟なスタンスです。朝起きてすぐ、入浴前、就寝前など、生活リズムの中に組み込みやすい時間帯を見つけることで、自然と習慣化しやすくなります。
また毎回同じメニューにこだわらず、その日の体調や気分に合わせて内容を調整することも大切です。今日は体幹中心、別の日はリラックス系、といったようにテーマを変えることで、身体への負担を分散しながら飽きずに続けやすくなります。
ウォールピラティス(壁ピラティス)を活用した応用
ある程度自宅でのピラティスに慣れてきたら、次のステップとしてウォールピラティス(壁ピラティス)を取り入れるのも一つの方法です。壁を使うことで、姿勢の基準を感じやすくなり、身体の位置関係を把握しやすくなります。
例えば、壁に背中をつけた状態で行うロールダウンや、壁を支えにしたスクワット動作は、体幹や下半身の安定を意識しやすく、自宅でも比較的安全に行えるのが特徴です。特に、姿勢のクセに気づきにくい方や、バランスに不安がある方にとって、壁は良いガイドになります。
ウォールピラティスはSNSなどでも話題になることが多く、手軽に見える一方で、誤ったフォームで行うと負担につながる可能性もあります。最初は無理に回数を増やさず、姿勢や呼吸を確認しながら取り入れることが大切です。
自宅練習だけに頼りすぎないという考え方
お家ピラティスは非常に便利ですが、自宅練習だけで完結させようとしないことも、長く続けるための重要なポイントです。自分では気づきにくいクセやフォームの乱れは、専門家の目を通すことで初めて修正できる場合も多くあります。
定期的にスタジオレッスンや有資格インストラクターの指導を受けることで、自宅での練習内容を見直し、自分に合ったメニューへと調整していくことが可能になります。自宅でのピラティスは「頻度と習慣」、スタジオは「質と安全性」というように役割を分けて考えることで、無理なく効果的な運動習慣を築きやすくなります。
まとめ
お家ピラティスは、忙しい日常の中でも取り入れやすく、運動を習慣化しやすい点が大きな魅力です。短時間でも身体への意識を高めることができ、継続することで姿勢や動きの質に変化を感じやすくなります。
自宅で行うからこそ、無理をせず、基本的な動きを丁寧に行うことが大切です。今回紹介したような基本メニューを参考にしながら、自分のペースで取り組み、日々の生活の中に少しずつピラティスを取り入れていきましょう。
ピラティスの動きや呼吸は、少しの意識の違いで感じ方が大きく変わります。基本をしっかり確認したい方や、自分に合った内容を知りたい方は、体験レッスンでインストラクターの指導を受けてみるのも一つの方法です。






